ボーカル録音のマル秘テクニック!これで歌が上手くなる!

歌ってみたをもっと上手く録音したい!カラオケが上手くなりたい!ボーカルをやっててさらに上手く歌いたい!

歌を上手く歌いたいという悩みがある方は多いと思います。

今回はレコーディングディレクター歴20年の筆者が

歌を上手く歌うちょっとしたコツとテクニックをお教えいたします
本記事のレベル
初心者/専門知識なしでも実践できます
 (2)

構成はこちら

  1. 選曲のコツ
  2. 歌唱のコツ
  3. 分割レコーディングテクニック
  4. 多重録音テクニック

前半で事前準備のコツを2つ

後半で実際のレコーディングテクニックを解説します

💡前半はカラオケやボーカリスト向け

💡後半は歌い手、歌ってみた制作者向け

となっていますが、どちらも併せて理解することによってさらなるレベルアップにもつながりますので、是非最後までお楽しみいただけたら幸いです。

筆者プロフィール

プロの世界で20年、数々のメジャーアーティストと一緒に楽曲制作を行ってきました。ミリオン歌手や賞受賞歌手なども多く担当し、プロスポーツや有名テーマパークの音楽演出も手掛けております。

それで解説スタート!

事前準備①:選曲のコツ 【上手く歌える曲=似合っている曲】

さて!まずはしっかりと事前準備を始めましょう。

歌を上手く歌えない人は事前準備を怠っている場合が多いです

正直、この事前準備をしっかりしておけば大きく失敗することはありません。

最初の事前準備は選曲です

カラオケに行く前、オリジナル曲を歌う前、録音をする前に、

まずはしっかり選曲をしましょう。

選曲で最も理解しておかなければならないことは

歌いたい曲と上手に歌える曲はちがう

という事です。もちろん、好きな曲を歌いたい気持ちもわかります!!でも、残念ながらそれと上手く歌える曲は一致しないことが多いです。

では、上手に歌える曲とは?

声質が似ている曲

得意なテンポである曲

初心者のうちは選曲の際にこの2つだけ意識してください

声質が似ている曲

このように説明すると難しく思えますが、シンプルです

自分の声は

可愛い系なのか?

かっこいい系なのか?

考えてみてください。すでにわかっている人はその判断に従ってください。どちらかわからない人は

地声が高い:かわいい

地声が低い:かっこいい

という決め方でOKです。可愛い系の声の人はまず、可愛い系の曲を選曲してください。かっこいい系の人はかっこいい曲を選曲してください。

じゃー可愛い系の人はかっこいい系の曲を歌っちゃいけないの?

そうではありません。まず!そこから始めてくださいという事です。

歌というのは1曲上手く歌える曲ができれば、すごく自信がつきます。しっかり自信をつけてから自分の声質とは違う楽曲に挑戦することによって、変に悩むことがなくなり上手く歌えるようになります。

歌に自信は必ず必要です

まずは、1曲自分に合う曲を選曲してみましょう

得意なテンポである曲

自分の声質にあう歌手や曲をみつけたら次はテンポで絞り込みましょう

ここからは例を挙げてご紹介します。

例:あいみょん

あいみょんの地声は低いです。かっこいい系のアーティストです。かっこいい系の声質の持ち主ならあいみょんの曲は上手く歌える可能性が高いのですが

  1. 裸の心:スローテンポ
  2. マリーゴールド:ミディアムテンポ
  3.  愛を伝えたいだとか:アップテンポ

このように曲にはそれぞれテンポが存在します。苦手なテンポの曲は上手く歌える可能性が下がります。

そこで自分の得意のテンポの曲を探さなければならないのですが…

一番簡単な探し方はこちらです

音程をとるのが得意:スローテンポ

音程をとるのが苦手:アップテンポ

どちらでもない:ミディアムテンポ

この選び方で問題ありません!なぜなら

スローテンポのほうが音程の悪さが目立つ。アップテンポは勢いでカバーできる

というのが理由です。もちろん、すでに得意なテンポが分かっている人はそれに従ってください

選曲で【上手く歌えるかどうか】半分以上は決まる

ファッションと同じです、自分に似合う服を着ていなければ褒められません。それと同じで、自分に似合った曲を歌わないと【上手いね!】と褒められる事は少ないのです。

当たり前の事なのですが
できていない人は意外と多いんじゃないでしょうか?

私の経験:なぜ【似合う曲が重要】か

プロはみな似合う曲を自分で作ったり、作ってもらったりしている

からです。プロがだれかに曲を作ってもらう時提供する側は必ず、

【この人に似合う曲かどうか】

を考えて、楽曲を作ります。

しかし、カラオケや歌ってみたなど既存の曲を歌う場合、
あなたに似合うように曲が作られていません

それならば、上の2つを使って自分に似合う曲を探すという作業をまずしなければなりません

上手く歌える曲=似合っている曲

なのです。

カラオケを特に伸ばしたい方はこちらにカラオケ専用の記事も用意していますのでご覧ください

【カラオケ独学法】プロのテクニックを徹底解説!

事前準備②:歌唱のコツ 【上手く歌うためには曲の理解が必要】

さて自分に似合いそうな曲が見つかりました!次は歌うための準備です

歌うための準備はズバリこちらです

  1. 適切なーキーを見つけること
  2. ブレスの位置を理解すること
  3. 歌詞の物語を理解すること

まず適正キーの見つけ方はこちらの記事で紹介しています

歌が上手くなる【3つの考え方】プロにも最初にこれを教えます!

適正キーは慎重に時間をかけて見つけることをオススメします。

ここでこけると今までの準備が無駄になってしまいます

そしてその次にブレスの位置を理解すること!これはこちらの記事です

歌のリズム感はブレスを極めよう!めちゃ上手くなります!

ブレスはリズム感を安定させる最大の武器です。簡単にリズム感を鍛えられるのでこれも事前準備に必ず取り入れてください。

そして、3つ目の歌詞を理解することはブレスの記事でも触れているのですが、本記事でもう少し詳しく解説いたします。

なぜ歌詞を理解しなければならないか?

それは

音楽(歌謡曲)とは歌詞のストーリーを伝えるために存在しているから

俳優さんに置き換えてみましょう。

歌詞を覚えている=セリフを覚えている

という事ですが、覚えているだけでは演技できません。俳優の方はセリフにキャラの心情を付け加え、そのキャラを表現します。

歌も同じです、歌詞を理解しストーリや主人公の心情を歌に乗せて表現しなければなりません。

歌の表現力=楽曲の理解力です

物語を表現するためにすべての歌唱テクニックは存在しているのです

テクニックだけ追い求めても、表現力や歌心という部分が欠けていては
良い歌は歌えません

分割レコーディングテクニック

さて!事前準備は終わりましたここからは録音の際のテクニックを紹介します

ここからは特に、歌い手やボーカリストなど歌を録音する人に向けた内容になります

分割レコーディングテクニック

分割レコーディングテクニックとは

その名の通り、Aメロ、Bメロ、サビとパートに分けて録音していくテクニックです

やり方はこちら

テイク数を決める ※テイクとは録音する歌の本数です最初から最後まで1回歌ったのを1テイクと呼びます

何テイクとるかを最初に決めます。初心者は3テイクでよいと思います

パートに分けて録音

Aメロを録音します。3テイクベストな歌を作ります。

Bメロを録音します。3テイクベストな歌を作ります。

サビを録音します。3テイクベストな歌を作ります

3テイクを聴き比べてよい部分を合体させます

TAKE1をA TAKE2をB TAKE3をCとした場合

【Aメロ1行目をA 2行目をB 3行目をC】

といったように3つの良いとこどりをして1本のBEST TAKEを作ります

このように分割レコーディングとは簡単に言うと、

パートごとに分けて数本ボーカルをレコーディングし
それを合体して最終的に1本のBEST TAKEを作る

という手法です。上の説明だと誤解してしまうかもしれないので補足としては

3本作るために3回歌うという事ではありません

1本目を作るためにもちろん数回歌うこともあります。重要なのは良い歌を3本作ることです。

分割レコーディングの注意点

なるべく早く3本のテイクをとれるようにすること

3本のテイクをとるのに手間どうと、3本目のテイクを録音する時点ではもうヘロヘロです

歌の録音は100m走だとおもってください!

いくら素晴らしいアスリートでも、100mを10本走った後に11本目でベストタイムを出すことは不可能です。歌も歌えば歌うほど調子は下がっていきます。

なるべく、自分のピークから落ちていく前に3テイク作るようにしてください。

※人によってはスマホなどで録音する方もいますが、どうしてもPCで作っている人よりもハンデが大きいので
最低限の機材はそろえることを私はオススメします

こちらの記事で紹介もしているのでご参考までに

プロ20年目が新人歌い手になって【歌ってみた用機材】選んでみた

多重録音テクニック

さて最後は多重録音のテクニックです。これは少し中級者向けかもしれませんが解説します

まず、楽曲を聴いていると録音された歌が1本だけではないことに気づくと思います

真ん中に1本メインボーカルがいて、サビになると左右の耳から同じボーカルが聞こえ、場所場所によってはハモリが聞こえるといった具合に

これはボーカルの多重録音をしているためです。コーラスとも呼びます

種類としては

  • ユニゾン
  • ハモ
  • その他:

ユニゾンはメインボーカルと同じ音程

ハモはハーモナイズの略で声に和音を加えるもの

その他:その他は声を楽器のように使っているもの

ここでは効果的なユニゾントラックの追加方法とハモの追加方法を解説します

今回は初心者向けの記事なのであまり難しくは説明しません。ざっくりお伝えします。

効果的なユニゾンの使い方

ユニゾンはこのようにつかいます

補強、広がり、印象付け

この3つを出したいときにユニゾントラックは効果的です。

補強

例えば、高い音を出すと声のパワーがなくなる時があります。そんなときはユニゾントラックをメインボーカルを支えるように真ん中に加えるとよい補強になり、弱弱しさをカバーすることができます。

広がり

ユニゾンの最も一般的な使い方です。サビから左右にユニゾンを加えます。AメロBメロを真ん中のメインボーカル一本で聴かせておいて、サビで左右も加え3本のボーカルトラックで聴かすとサビから一気に曲の迫力を出すことができます。

印象付け

主にAメロやBメロのメインボーカル1本状態の時に使うと効果的です。際立たせたい歌詞部分にユニゾンを加えることによって、リスナーの耳をその言葉に引き付けることができます。

効果的な ハモの使い方

ハモはこのように使います

広がり&装飾

広がり

これはユニゾンと合わせて使うのが一般的です。先ほど説明したサビの左右のユニゾンに対し、3度や5度でハモリを加えます。すると、さらにサビが広がったような印象を与えることができます。基本ユニゾンと一緒に使うのが効果的です。

装飾

一方装飾は、ユニゾンとの合わせ技じゃなくても使えます。声というのは単音楽器で一度に1つのメロディーしか発することができません。そこに多重録音でハモリを加えることによって、切なさや希望感など様々な効果を加えることができます。

ユニゾンやハモはあくまでおまけ

良く陥りがちな事として、メインをカバーするようにユニゾンやハモ使う人がいます

これはあまり意味ないのでやめたほうが良いです。

ユニゾンやハモが効果的なのはあくまで、素晴らしいメインボーカルがあってこそです。

逆に、メインが素晴らしすぎたらユニゾンやハモで余計なことをしなくてもいいんです

もちろん現代音楽では、ユニゾンやハモは必須テクニックではあるのですが…

メインボーカルに勝るものではない

という事は理解しておいていただけると、効果的に使用できると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?前半では事前準備のコツ、
後半では録音テクニックを解説させていただきました

歌を上手く歌うコツは事前準備と少しの録音テクニックを使うことです

上手く聴かせるために上手く編集するという事にフォーカスする人もいるのですが

それは私たちのような技術者に任せればよい事です

歌手はこの瞬間に心が震えるような素晴らしい歌を歌うことがすべてです

色々な情報があふれる世の中ですが、
知らなければいけないことは少しでよいと思います。

事前準備とほんの少しの録音テクニック

これで充分です、大事な時間は練習に充ててください。そのほうが上達します!

是非この記事が皆さんのお役に立てたら嬉しいです。ありがとうございました!