歌ってみたを投稿する前に知っておくべき7つの基本ルール
著作権侵害のトラブルに巻き込まれない方法
YouTubeをはじめSNSで大人気の歌ってみた動画。アーティストを志している人のなかには、最近歌ってみた動画でアーティスト活動を始めた人も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ動画投稿をするとプラットフォーム側から

こんな、怖い通知を受けたことがある人もいるはずです。
でも、安心してください【著作権侵害の申し立て】という通知が来ても、よっぽど悪質でない限りすぐに訴えられるようなことはありません。しかし、あなたがアップした動画が著作権の侵害に引っかかる恐れがあるのは確か。
本記事では
と題して、音楽業界歴20年の筆者が
安心して歌ってみた動画で活動する方法
を解説いたします。

ルールを知らず著作権を冒してしまっている状態でも、今から修正すればよっぽど悪質でない限りあなたが訴えれることもありません。
著作権侵害をせず安心して、歌ってみた動画を投稿する方法がわかります。
7つの守らなければならないルールを解説した後に、ルール番外編として実際に収益化できるのか?も解説したいと思います。

それでは解説スタート
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もくじ


まずはじめに、ほとんどの方は自分がどんな権利を侵害しているかが、わからないはず!
歌ってみた動画をアップロードするときに主に問題となる権利は
- 著作権
- 著作隣接権(主に原盤権)

この二つです
著作権

まずは、皆さん一度は聞いたことがある著作権
歌ってみたの場合、これらに与えられる権利のことを指します。
- 作詞(歌詞)
- 作曲(メロディ)

なぜ作品を創作した本人には著作権が与えられるの?
もし著作権がなければ、誰かが創作したものを無断で盗作したりできてしまうからです

いわば著作権がなければ作品は誰からも守られず、音楽文化は無法地帯になってしまうのです
作品がだれのものかを証明するために著作権は存在します
著作隣接権

一方意外と皆さんが聞いたことのない権利に著作隣接権というものがあります。
著作物の創作者ではありませんが、著作物の伝達に重要な役割を果たしている実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に認められた権利
となります。

こう書くと難しく感じるかもしれませんが、要は
フリーランスでない場合、ほとんどの場合レコード会社が持っている権利です。
映画の主題歌や、ドラマの主題歌などを作るときにレコード会社とTV局またはラジオ局で共同で出資し作品を作ることがあるからです。著作隣接権の1つ原盤権はレコード会社50%TV局50%と分けて所有することもできます

著作権が作詞、作曲というシンプルな創作の権利なのに対して
著作隣接権は様々な権利を含みます。例えば
楽曲の販売権
楽曲の複製権
作品のレンタル権
録音権・録画権
他にも多くありますが、基本的にレコード会社が作品を売るために保有する権利だと思っていただいてOKです。フリーで活動されている方はアーティスト本人が所持することが多いです。ボカロPなんかはそうですね!

この著作隣接権がもしなかったら…
レコード会社が予算をかけ作った作品が第三者に勝手に使われたり売られたりしてしまいます。それを回避するために存在する権利が著作隣接権です。
著作権は:著作権と著作隣接権の2つ
著作権は実際作詞作曲をした人に与えられる権利
著作隣接権は作品を作るためにお金を出したり協力した人に与えられる権利

大前提として、歌ってみたで楽曲使用する場合はある条件を除き
ある条件とはこちら
私的な利用

私的な利用とは、家で自分が聴くために歌う、練習のために使うなどです。
しかし、その音源を公に発表することは著作権侵害に当たります。
プライベートの利用以外はすべて許可を得ないといけない!と思ってもらえればシンプルだと思います。
しかしここで疑問が生まれると思います

どうやって許可をとるの?
結論からお伝えすると
著作権は誰かに使用されるたびに、著作権使用料が発生します。あなたがカラオケで1回歌えばいくらかがそれを作った人に著作権使用料という形で分配される仕組みなっています。
では、

アーティストやレコード会社は誰が何回歌ったかをカウントしているの?
答えはNOです。アーティストやレコード会社など作品を作った人は楽曲の著作権管理を著作権管理団体に委託します

一番有名なのはJASRACです
JASRACをはじめとする著作権管理団体はアーティストやレコード会社から委託され、その楽曲がどこで何回使われたかをカウントしています。そして、そのカウント業務の手数料でビジネスを行っています。
著作権から発生した使用料は印税という形でJASRAC等から創作者に分配される仕組みなのです。

さて、歌ってみた動画のアップ先で圧倒的に人気なのはYouTubeです。

包括契約とは本来個別で契約しないといけない契約を一括契約している状態の事
ではどのような契約なんでしょうか?簡単に説明すると
JASRACとNexToneに登録されている楽曲は動画投稿に使用してよい
という契約です。したがって、JASRACとNexToneに登録されていればYouTubeで使用OKです。
しかし、この記述には注意しなければならない点があります。
という事。歌ってみたをYouTubeにアップする場合、必ずJASRACかNexToneで楽曲が登録されているか確認してください。※下記リンクを張っておきます
YouTubeはJASRACとNexToneですがニコ動になればもちろん管理団体が変わる場合があります。自分が動画投稿するプラットフォームが契約している著作権管理団体をあらかじめしらべて、楽曲登録確認をしてください。


正直、YouTubeでほとんどの著作権の異議申し立てはこれが理由なのではないかと私は思います
多くの人は著作権が登録されていたから歌ってOKという認識で、
- CDなどに収録されているオリジナルインスト
- DAMなどで配信されているカラオケ音源
を使って著作権侵害の申し立てを受けている人が多いです。

ここで、ルール1を思い出してください。著作権は2種類、著作権と著作隣接権があります。
歌詞やメロディを使うことは管理団体との包括契約でクリアしてはいますが
オリジナルインストやDAMなどのカラオケ音源は著作隣接権に属します
- オリジナルインストはレコーディング代、ミュージシャン代、スタジオ代などのお金を支払ったレコード会社の物
- DAMなどのカラオケ音源は、レコード会社などの許可を得て使用料を支払いカラオケ会社が制作しています。
したがってYouTubeなどの配信サイトで使用することはできません。
唯一使用できるケースはアーティストやレコード会社が使用を許可しているときのみですが、ほとんどのメジャーアーティストの楽曲は使用を許可されていません。

しかし、多くの楽曲が使用許可されているジャンルもあります!それが次のルール5


YouTubeでボカロ楽曲の歌ってみた動画が多いのはこれが理由です。
ボカロはそれを実際に歌う歌い手さんと共に成長してきたジャンルであり。様々なボカロPがその文化を守るために、楽曲の使用を許可しているといわれています。
ニコニコ動画では自由に使っていいですよ、YouTubeでは使用しないでください。など、どこまで許可しているかはボカロPさんそれぞれです。多くの場合はインストをダウンロードできるページに利用規約といった形で記載されているので、それをしっかり読んでルールを守って使用してください。
もちろん利用規約に違反した場合著作権侵害となります
ボカロ曲のカラオケ音源の入手方法
ボカロ曲のカラオケの入手方法もご紹介します。
基本的には
- ニコニコ動画のボカロPさんがアップしているオリジナル動画の概要欄
- piaproなどの音源投稿シェアサイト
この二つが王道となります。これも利用規約などをしっかり確認してダウンロードして使用してください


それではここからはJ-POPなどを歌うにはどうしたらよいのかを解説します!
まずここまで説明したように楽曲が著作権管理団体に管理されていたとしても、オリジナル音源やカラオケ音源を使うと著作隣接権に引っかかります。

ではどうすればよいのか?
- YouTube上でカラオケを制作している人の音源を使う
- プロに委託して作ってもらう
- 自分で弾き語りなどをして音源を作る
YouTube上でカラオケを制作している人の音源を使う
YouTube上で歌い手さんのためにオリジナルでカラオケを制作するチャンネルが昨今増えています。そのようなチャンネルからカラオケ音源を入手し使うというのが一つ目の方法です。
その際もチャンネルの利用規約をしっかり確認してください。
プロに委託して作ってもらう
多くの人気YouTuberや人気歌い手はこの手法をとっています。自分ように作ってもらうのでキー変更なども指定できてよりオリジナリティの高い作品が作れるのが魅力です。

しかし、クオリティの高い音源を作ろうと思うと予算がかかってしまうのがデメリットとしてあります。
最近はずいぶん、オリジナル音源を安価で受注生産してくれるサービスも増えてきました。
代表的なのはココナラ:様々なクリエイティブ制作の受注が安価で可能です。興味のある方は是非会員登録し制作依頼してみてください

弾き語り等で演奏
楽器ができる方は自分で演奏して歌うことで著作隣接権をクリアできます。しかし、楽曲によっては演奏禁止とされているものもありますので、しっかりと著作権を調べることも必要です。基本的にはほとんどの楽曲は問題ないです。

動画の収益化で一番有名なのはYouTubeです。しかしYouTubeで歌ってみた動画の収益化を目指すのは非常に困難です。その理由が
YouTube上で発表されているアーティストの有名曲には、ほぼすべてにContent IDというものがついています。いわゆる商品でいうバーコードのようなものです。このContent IDは自分の楽曲を誰かが使ったらYouTube側で自動でスキャンされID保持者に通知されます。

仮にあなたのYouTubeチャンネルが収益化に成功していても、歌ってみたで他人の楽曲を使用した場合の広告費はID保持者に分配されます。
あくまで、ID保持者次第という側面もあるので、稀に何百万再生などと影響力のあるYouTuberは【宣伝してあげるから売り上げもください】とID保持者と交渉できるパターンもあるそうですが、期待しないほうが良いと思います。
あくまで歌ってみたは作品をお借りして使用するので、なかなかそのようなことは起こらないのが現実です。
それは音楽コンテンツは集客には非常に効果があるからです。歌ってみた動画で活動し収益化まで考えるのであれば、
歌ってみた動画は集客用/収益はオリジナル楽曲で

という風に戦略的に考えるのが良いと思います。

7つのルールを解説したところで
という部分を検証してみましょう。結論としては「できる場合もある」というあいまいな答えが正解です。
コンテンツIDを使い、著作権保有者と売り上げをシェアしながら収益化
mucomeというYouTubeで収益化できる音源を販売しているサイトを使う
検証結果基本的にこの2つが該当しました。
やはり王道は、コンテンツIDによって送られてくる「権利者からの申し立て」に準じて、収益の一部を分配しながら収益化という方法です。注意していただきたいのが、
「権利者からの申し立て」 がなかった!ラッキー!収益化しちゃえ!
これは非常に危険なのでやめてください。申し立てがないからと言って違法は違法です。のちに見つかったときに多額の請求が一気に来る場合も考えられます。

もう一つの収益化方法は、mucomeという音源販売サイトを使う方法。

これに関しては本記事の内容とかけ離れてしまうため簡単に
mucomeはJASRACなどの著作権管理団体と契約している、譜面&音源販売サイトです。こちらのサイトにあるYouTube用音源を使えば収益化することが可能とのこと。
興味がある方はmucomeのHPで確認してみてください。※本記事では深堀しないので、ご自身の判断でご利用ください。
いかがだったでしょうか?やはり活動していくうえでしっかりルールを覚えておくというのは大事だと思います。せっかく作った動画がルール違反で削除されたり、警告されてしまっては活動も思いっきりできません。

最後にもう一度著作権侵害トラブルに合わないための基本ルールをお伝えします
- 著作権は2種類:著作権/著作隣接権
- 楽曲使用は基本的に許可が必要
- 管理団体に楽曲登録されているか必ずチェック
- オリジナルの音源使用は著作隣接権侵害
- 多くのボカロPさんは音源使用を許可している
- J-POPを歌うならカラオケはオリジナルで制作しよう
- 収益化は困難、集客に的を絞ろう

この7つのルールを理解していれば、ほぼトラブルに合うことはないでしょう
YouTubeでは時々、著作権を侵害していないのに著作権侵害の申し立てが来る場合があります。そんなときもこの7つのルールを今一度確認して、仮にすべてがクリアになっていれば
逆に「侵害していませんよ!」とこちらから異議を申し立てることもできます。
このようなトラブルであなたの素晴らしい創作が邪魔されてしまうのは本当にストレスになると思います。是非、初めからルールを把握して思いっきり活動してください。
お読みいただきありがとうございました!
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