
皆さんこんにちは音のGARAGEです
【Spotify・Apple Music】時代はサブスク!3つの音楽レポートを分析したら収入を稼ぐための面白い仮説が立った!
✅軽く自己紹介
プロデューサー/ディレクターとして20年。プロの現場でメジャーアーティストと一緒に音楽を作って来ました。現在はメジャーレコード会社で制作の最高責任者をしています。
さて今回は雰囲気的に【業績が落ちている】ともっぱら噂の音楽業界のお話。
最近発表されたレポートをつなぎ合わせたら面白い仮説が立ったのでご紹介したいと思います。
今回の記事はこんな疑問を持っている方向けとなります
- この先音楽で稼いでいけるの?
- ミュージシャンを目指して良いの?
- サブスクって儲かるの?
- CDは無くなってしまうの?
ミュージシャンでなくても興味があるような話題だと思い、レポートを元に分析してみました。
あくまで3つのレポートから立てる仮説なので、
エンタメとして楽しんで読んでもらえたら幸いです。

まず!3つのレポートとはこちらです
- IFP(I国際レコード産業連盟)音楽市場売上レポート
- Spotify 新サイト【Loud & Clear】
- 全米レコード協会(RIAA)売上レポート

それでは解説スタート!
もくじ

IFPIは今年春 2020年までの世界の音楽市場の売上レポートを発表しました
それがこちら!
![]()
注目は 赤:CD売り上げ 青:サブスク 緑:配信 とトータルのグラフ数値です。
まず、総売上は前年度から7.4%増の216億ドル
6年連続のプラス成長

あれ?音楽業界好調じゃん!!
私もそう思いました。レポートの冒頭では

なんだか良い感じ!!
成長を牽引したのはストリーミング。なんと前年比の約2割増。おうち時間が増えたことによって
Amazon MusicやSoptify, Apple Music Youtube Musicなどの会員数が伸びたようです。

まーなんとなく、そんな話は聞いたことはありますよね!
ただもちろん問題も!!
私たちの国【日本】 日本はアメリカに次世界第2位の音楽マーケットを持っています。
【アメリカ】が前年比7.3%プラスに対して、【日本】は前年比マイナス2.3%
お隣【韓国】はマーケットは小さいですがBTS爆売れで前年比44.5%プラス

日本の主要収益は世界でも超レアなCD売り上げ
握手会などの特典付きCDがコロナで売れなくなったため
業績は落ち込みました。

日本ももっとサブスクに力を入れてCD販売依存から
早いところ脱却しないといけないんじゃないの??
と皆さん思うことでしょう。 レポートによると
半分はYESで半分はNOでした。
サブスクにも未だ大きな問題点があります。
それが二つ目のレポート

サブスク世界最大手Spotifyは今年、ロイヤリティについて説明するサイト
【Loud&Clear】をオープンしました。
このサイトはSpotifyがサブスクの収益(ロイヤリティー)の透明化を説明するために新設したサイト。
サイトにはどのようにアーティストに収益が分配されるかが分かりやすく書いてあります。

皆さん、サブスクの収益の分配方法をご存知ですか?
ほとんどのサブスクサイトはこのようなシステムを用いています。

正直、超トップアーティスト有利です。カンタンに言えば
サイトにたくさんお客さんを連れてきてくれて、
再生回数を稼いでくれるアーティストには沢山収益を渡しますよ!
という事。この平等性に欠ける部分が近年ずっと議論されています。
イギリスでは国会で議論されているようです。
※米国労働統計局などの情報を元にした【アメリカ人の平均年収547万円以上】をSpotifyで稼いでいるアーティストは
世界に1万3400人しかいないそうです。
世界的に人気のアーティストは稼げるが、それ以外の人はほとんど稼げない。
しかも1再生平均1円以下。
1500円のCDを1枚売るのと同じ金額を得るには少なくとも3000回~5000回の再生が必要という計算になります。

日本の音楽業界では世界のトレンドとは逆行していると分かっていながらも
【CDが一定枚数売れるアーティストはCDを売り上げた方が良い】
という考えがまだ一般的です。
なぜなら
- 日本の曲は日本語で歌われている。【日本語】は基本日本人しか使わない
- 英語でない為世界では戦えない

BTSが曲を英語歌詞に切り替えたり、YOASOBIが人気楽曲の英語版を発売するのは
そういう理由も関係しているんです
【2020年はついにCDの売り上げは全体の4.2%まで落ち込みました】
そんな中、面白い現象が起きているのが次のレポート

なんとアナログレコードは前年の28.7%も増加しているんですね。
アナログレコードは2006年に瀕死の状態になって以降は上昇に転じ
ストリーミングの盛り上がりと共に連動して売り上げを爆伸ばししているそうで、
2020年はCD売り上げを1986年以降で初めて上回ったそうです。
なぜか??その理由は
レコードはもはや過去の名盤のための物ではなくビリーアイリッシュ のような
現代アーティストの楽曲をより高音質で聴くためのメディア
だからだとレポートには記されていました。
ジャケットサイズも大きくて、お洒落なので
コレクターズアイテム的な側面もあるそうです


いかがだったでしょうか?最後は今回の3つのレポートをまとめて
【日本のアーティストがこれから音楽で稼ぐにはこれ!】
という仮説を立ててみたいと思います。
- サブスクの収入はトップアーティストになるまで期待せず我慢
- CDは特典をつけ売れるだけ売る
- トップアーティストになった時に困らないように初めから歌詞を英語にしておく
- アナログレコードもCDと同時発売して売る

いかがでしょうか?結構ぶっ飛んだ仮説に見えて、
近い将来こんな時代が来るのではないか?と私は思いました。

もちろんコロナ渦で主要の収入源であるライプパフォーマンス収益などが含まれていないので、
コロナごはまた違った世界になっているは思いますが
未来のアーティストの皆さんはこんな仮説を頭の片隅にでも置きつつ、
素晴らしい作品を生み出して行くと
これからの音楽活動がまた違ったものになって行くのかもしれません。
お読みいただきありがとうございました。
