今年大旋風を巻き起こしている弱冠18歳の天才シンガーソングライターのオリヴィアロドリゴ
彼女のデビューアルバム【SOUR】が怒涛の売り上げを見せています。アルバムの売り上げや記録はすさまじく

といわれています。

2021年もっともブレイクして、称賛され続けているオリヴィアロドリゴ
本記事では
という部分を歌詞の和訳、解説、考察を交えて徹底分析したいと思います。
独自のレビュー表
注目ポイント
歌詞

このような構成で全曲解説いたします!

そんな声も聞こえ始めているオリヴィアロドリゴ

実際、世界の音楽評論家の論評では
- デビュー曲【drivers licence】がレコード賞と楽曲賞の最有力候補。
- アルバム賞大本命にデビューアルバム「SOUR」
- ベスト新人アーティスト賞:オリヴィアロドリゴ(ほぼ確定?)
といわれています。日本のファンの知名度はBTSなどに比べると低いですが、全世界ですでに爆発的な人気を得ており、天才歌姫と呼ばれています。
実際前哨戦でもあるMTV VIDEO MUSIC AWARD(vma2021)でもBTSとLil Nas Xと並び3冠を達成
▼詳しくはこちらの記事で解説しています▼

しかも主要部門での3冠!BTSは主要部門での受賞ではなかったため、オリヴィアロドリゴが大本命といわれています。
米ビルボードチャート初登場1位
5週連続首位をキープ
その他、数曲が米シングルチャートHOT100に同時ランクインなど、考えられない記録を次々と樹立しました。インパクトでいえばビリーアイリッシュが最年少でグラミー賞を主要部門を制覇したときのような勢いがあります。

グラミー賞は2021年11月23日のノミネート発表まであとわずか!

今、世界で最も注目されているアルバムSOURを徹底解説していきます!
もくじ
☆注目ポイント
アルバムの1曲目はbrutal【残忍な】【冷酷な】という意味のタイトルからスタートします。

正直意外でした
オリヴィアロドリゴってなんだか大人しい美少女というイメージだったので、このようなバッドガール的な楽曲から始まる想像はしていませんでした。
サウンドはバリバリのポップロックといった感じで、優等生というよりはアブリルラビーンのようなやんちゃな感じが随所に現れています
☆歌詞

歌詞の内容は17歳の苦悩
And I’m so sick of seventeen
もう17歳にはうんざり
Where’s my fuckin’ teenage dream?
私の青春はどこに行った?
と前半から嘆き、サビでは
All I did was try my best This the kind of thanks I get?
これだけ頑張って これだけしか感謝されないの?
Unrelentlessly upset They say these are the golden years
めちゃくちゃキレてる 皆今が青春真っただ中っていうけれど
God, it’s brutal out here
ああ神様ここは残忍です
というメッセージ。

アメリカの17歳女子というのは
最高に輝く年齢とされているのですが…
全然楽しめていない様子ですね。
失恋で自尊心も失い、何をすればよいかもわからない。そんな等身大の17歳の悩みをぶつけている一曲です。
☆注目ポイント
traitor【裏切者】と名付けられたこの楽曲はストレートな失恋ソング。曲調も含めオリヴィアロドリゴらしさ全開の楽曲ですね。

すごく大人っぽいメロディーの上に高校生らしい恋愛の歌詞。
これがオリヴィアロドリゴの魅力なのかもしれません。サウンド面でも、アコースティックギターなどを使いオリヴィアロドリゴが愛してやまないテイラースウィフト感あふれるアレンジになっています。
☆歌詞

歌詞は全体的に甘酸っぱい青春の恋、そして失恋といった感じ
You betrayed me And I know that you’ll never feel sorry
あなたは私を裏切った そして悪いとも思っていないでしょうね
For the way I hurt ,yeah You talked to her when we were together
私が傷ついたことに対しても あなたは付き合っていた時から彼女と話していた
Loved you at your worst But that didn’t matter
そんな最悪の部分も含めて好きだったけど もうどうでもいい
よくある失恋の話ではあるのですが、声質とメロディーの構成でグッと大人っぽく聴こえます
そして
Guess you didn’t cheat,
浮気はしてないのかもしれないけれど
but you’re still, you’re still a traitor
あなたはいまでも いまでも裏切者なの
という歌詞は非常に素晴らしいですよね。少し矛盾している表現をあえてすることによって若い頃の恋愛を表現しているのではないでしょうか
☆注目ポイント
世界中の度肝を抜いた大ヒットデビューシングル。3曲目に持ってくるところにアルバムを飽きさせない工夫が見えますね。この楽曲は発売当初17歳のオリヴィアロドリゴに対し、世界中の音楽ファンが【なんて美しくも悲しい歌詞なんだ】と驚いた1曲です。

まだ大人になりかけの少女が紡ぐ歌詞とメロディーが素晴らしすぎてまさに天才
最近の流行のミニマムなサウンドに美しい歌声、そして時折悲しさを爆発させるような歌唱。この先何十年も名曲として残るであろう1曲です
☆歌詞
drivers licenceに関しては物語のすべての歌詞が秀逸なのですが。まずはこのタイトル【drivers licence】そして冒頭の歌詞
I got my driver’s license last week
先週運転免許をとったよ
この部分ですが、これがすごいです。日本人だとなかなかない感覚なのですが、アメリカは16歳で運転免許が取れます。
なのです。アメリカの高校に通ったことのある人なら、この一行で高校時代の青春に一気に戻ることができるくらい素晴らしい情景描写。
そしてサビの最後のキメでは
Cause you said forever, now I drive alone past your street
あなたは永遠といったけど いま私は独りであなたの家の前を通り過ぎた
恋人との明るい未来を夢見て取得した免許
でも、すでにあなたはいなくて今は独りあなたの家の前の道を運転している
という、めちゃくちゃ切ない歌詞で締められます。こんなに情景が浮かぶ歌詞をサラッとかけてしまう才能。

世界が注目するのも納得です
この曲はイントロからエンディングまですべてが素晴らしい1曲なので是非フルでストーリーを楽しんでみてください!
☆注目ポイント
「3歩すすんで2歩下がる」365歩のマーチ?ではなくオリビアロドリゴの場合1歩進んで3歩下がってしまいます!
365歩のマーチのように【人生は少しずつ進んでいくものだ】というメッセージかと思いきやこの楽曲のテーマは小悪魔な女性の歌です。

メルヘンチックなサウンドに乗せて、
好きな人に意地悪をしてしまう女性心を歌っています。
ビリーアイリッシュのHappier than everもこのようなメルヘンチックなトイピアノサウンドを使っていましたが
最近女性アーティストの優しい歌には【メルヘン】というのが一つのキーワードかもしれませんね。
☆歌詞

かわいらしくも意地悪な、小悪魔な女性心を歌った楽曲
Called you on the phone today Just to ask you how you were
今日あなたに電話した ただ元気かな?と聞きたくて
All I did was speak normally Somehow, I still struck a nerve
普段通りしゃべろうとしたけど なぜか緊張で言葉に詰まった
冒頭はすごく、若い等身大の恋愛といった感じ
そしてサビでは
Cause it’s always one step forward and three steps back
1歩進んで3歩下がる
I’m the love of your life until I make you mad
怒らせるまでは私はあなたの人生のすべてだった
It’s always one step forward and three steps back
でも、いつも1歩進んで3歩下がる

この【やるせなさ】を
代弁してくれる所が、オリヴィアロドリゴが若者に
支持される理由なのかもしれませんね
☆注目ポイント
綺麗なカリフォルニアの風景のMVと共に展開されるストーリー
別れたワンパターンな男の行動を【それってデジャブでしょ】と言い放つ。
実はプライベートでサブリナカーペンター、ジョシュア・バセットとの三角関係のスキャンダルがあったオリヴィアロドリゴ
そのことを歌にしているのではないか?とも噂されています。

三角関係と考えると歌詞も非常にそう思える表現が多いです。
☆歌詞
So when you gonna tell her That we did that too?
いつ彼女に話すの?私とも同じことをしたって
She thinks it’s special But it’s all re-used
彼女特別だって思っちゃってるよ、前にしたことの再利用なのに
Do you call her, almost say my name?
彼女の名前を呼ぶとき、私の名前呼びそうになる?
‘Cause let’s be honest, we kinda do sound the same
だって正直なところ 結構似たような名前だし
どうでしょうか?三角関係に見えてきてしまいますよね。
サブリナ/オリヴィア 確かに似たような感じもします笑

真相はわかりませんが、そう思わせるだけで
曲に十分弾きこまれているので狙い通りかもしれませんね
☆注目ポイント
drivers licenseに続いてシングルカットされた楽曲。前曲で三角関係の話題にふれてから、その彼へのメッセージにしか聞こえなくなってきました笑。
楽曲自体はアップテンポ。アメリカンポップスの王道といった感じですね。ロックサウンドですがダーク過ぎないところはテイラースイフトなどの影響を受けているのでしょう!
☆歌詞

基本的には失恋ソング、別れた男への愚痴という感じで、
女性シンガーの王道というべき内容
Well, good for you, I guess you moved on really easily
まーよかったね すぐに新しい恋に進めたみたいで
You found a new girl and It only took a couple weeks
新しい彼女を見つけたんだ たった数週間で

ストレートかつ皮肉たっぷりといった感じ
Well, good for you, you look happy and healthy
まーよかったね 幸せで健康そうで
Not me, if you ever cared to ask
ちなみに私は全然大丈夫じゃない
Good for you, You’re doin’ great out there without me
まーよかったね 私がいなくても上手くやれているようで
相当本気の恋愛がバッドエンドで終わり、相手はすでに次へと動いているけど、自分はまだ引きずっている。

M1.brutalの「17歳なんて最悪の時期だ」というメッセージとリンクしますね。
上手くいかない恋愛、しかし周りは【人生で最も輝く時期だね】という。そんなギャップがこの辺りから見えてきました
☆注目ポイント
サウンドは少女が弾き語りで語っているかのようなアコギのシンプルな構成。

本人が弾き語っているのかもしれません!
しかし、メロディーはすごく大人っぽい。なぜ洋楽アーティストはこんなにも大人っぽいメロディーが若いのにかけるのでしょうね。
相変わらず声は美しく、ところどころで使う声の表現が素晴らしい一曲です
☆歌詞
歌詞の内容は、前曲までのように別れた恋人を攻撃している感じではなく
自分は精一杯頑張ったけどダメだった
という、苦悩や懺悔のような内容。自分自身に語り掛けているようです
I wore makeup when we dated ’Cause I thought you’d like me more
デートするときはメイクをした だってそうすればもっと好きになってもらえると思ったから
If I looked like the other prom queens I know that you loved before
学校で一番のマドンナのような見た目だったら もっと私を愛してくれていたのは知ってた
Prom Queenをマドンナと表現しましたが、プロムとは高3の卒業前のパーティー。そのQueenとは学校一の人気者という事です。

ミスコンみたいなものですね。
You found someonе more exciting The nеxt second, you were gone
私より刺激的な子を見つけたのね その瞬間あなたはいなくなった
And you left me there cryin’, wonderin’ what I did wrong
何がいけなかったのか考えながらなく私を残して
And you always say I’m never satisfied But I don’t think that’s true
あなたは私がいつも満足してなさげだといったけど それは違う
‘Cause all I ever wanted was to be enough for you
だって私はあなたが満足する存在になりたかったら
All I ever wanted was to be enough for you
ただあなたが満足する存在になりたかった
☆注目ポイント
ピアノのアルペジオと温かいドラム音が素晴らしい1曲。全体的に温かいイメージと物語を回想しているようなサウンドに仕上がっています。
ビリーアイリッシュも大事にしたhappierというワード。

そしてオリヴィアロドリゴもhappierを良い意味では使っていません。
【幸せには感じないで】という意味で使い、幸せな言葉で切なさを表現しています。
☆歌詞
Oh, I hope you’re happy But not like how you were with me
あなたが幸せなことを願っている、でも私といた時とは違う形の
I’m selfish, I know, I can’t let you go
自己中なのはわかってる でもあなたを忘れられない
So find someone great, but don’t find no one better
だから素晴らしい人を見つけてね でも私より良い人はやめて
I hope you’re happy, but don’t be happier
あなたの幸せを願っている でも私といた時よりは幸せにならないで

すごく等身大
大人っぽい恋愛でなくちゃんと17歳としての思いをアーティスティックに綴っています。
オリヴィアロドリゴの凄いところは、この当たり前に同世代が感じる思いを美しく表現するところではないでしょうか。
☆注目ポイント
ここまでの楽曲は、10代の恋という部分を綴ってきましたが、この曲はこのSNS時代ならではのコンプレックスを歌った歌となります。
ビートとクランチのギターリフ、けだるいベースがこのアルバム一のダークな雰囲気を演出しています。

SNSが生活の中心となっている世代ならではの切り口で
嫉妬について歌っています
☆歌詞
【歌は時代を切り取るもの】とよく言われますが、まさに今の時代だからこその苦悩を歌っています
I kinda wanna throw my phone across the room
部屋の向こうに携帯を投げ捨てたい気分
‘Cause all I see are girls too good to be true
嘘みたいに素敵な女の子ばかり目に入るから
この冒頭だけで10代,SNS,インスタなどのキーワードが浮かんでくるところが
オリヴィアロドリゴの作詞力の凄さですよね。
I’m so sick of myself, I’d rather be, rather be
自分が本当に嫌になる いやになる
Anyone, anyone else
ほかのだれかになれたらいいのに
My jealousy, jealousy started followin’ me (He-he-he, he)
私の嫉妬が私を飲み込んでしまいそう
Started followin’ me (He-he-he, he)
嫉妬に飲まれてしまいそう
他人の目を気にしてしまう。そんな思春期の思いを嫉妬という形で表現しています。
☆注目ポイント
サウンドは弾き語り風。アコギサウンドが心地よいです。
ちょっとやんちゃな元カレとの恋を歌った歌。危険なものにあこがれて、裏切られて、傷ついてという青春の思い出を美しく歌いあげています。
☆歌詞
Know that I loved you so bad I let you treat me like that
あなたを本気で好きだったことを知っていたでしょ? だからあんな風に扱われても私のせい
I was your willing accomplice, honey
あなたの共犯者にも進んでなったわ
And I watched as you fled the scene
そして現場から逃げるあなたも見てた
好きな彼から嫌われたくなくて、彼の犯罪にも協力した。でもその彼は自分を置いて逃げた。
という内容。【自分を置いて逃げた】というのは比喩てきな表現で【浮気した】というのも引っかけていると思います。
Oh, the things you did
あなたがしたこと
Well, I hope I was your favorite crime
あなたの好きな犯罪が私だったらいいな
Your favorite crime, your favorite crime
あなたの好きな犯罪
‘Cause, baby, you were mine
だってあなたは私のものだったから
彼の好きな犯罪が私だったら良いな:というのはどういう意味か?
おそらく、自分を傷つけたことを今でも後悔していればよいなという意味ではないでしょうか。

別れたことに罪の意識を持っていてくれればよいなと。
なかなか、実際に起こったことがわからないと解釈が難しい歌詞ではありますが
私はそのように捉えました。
☆注目ポイント
アルバムのラストを飾る1曲。最後の楽曲はLGBTQコミュニティの子供たちのことを歌った1曲でした。
まだまだ差別にさらされることも多いLGBTコミュニティの子供たち。
そんな子供たちに勇気と生きる希望を与えるような1曲です。

この若さで、世の中の問題にしっかり自分なりのメッセージを送る
というのは本当に立派な事ですね。
サウンドはそこまで派手ではないのですがラストにかけて空が晴れるような、希望を感じさせてくれるサウンドメイクとなっています。
☆歌詞
His parents cared more about the Bible
彼の両親は聖書の方をより気にしていた
He wore long sleeves ‘cause of his dad
彼はそんな父親のせいでいつも長袖を着ていた
聖書はLGBTを認めていません。男は男、女は女で生まれ生きていくといった記載がされています。
そしていつも長袖を着ていたというのは自傷行為や虐待などを隠していたという表現
My middle school friend grew up alone
私の中学の友達は独りで成長した
She raised her brothers on her own
弟を自らの手で育てながら
Her parents hated who she loved
彼女の両親は彼女が愛する人を嫌った
家庭環境に恵まれず、最愛の人も両親からは認められない友達の事を2番では歌っています。
そして曲は
Well, I hope you know how proud I am you were created
私がどれだけあなた達を誇りに思っているか知っていてほしいな
With the courage to unlearn all of their hatred
全てをはねのける勇気を持ったあなた達を
But, God, I hope that you’re happier today
あなたが今幸せに暮らしていることを願っています
力強く寄り添うというよりは、いつでも応援しているという陰ながらのメッセージを大切に伝えている
そんな楽曲です。

いかがだったでしょうか?素晴らしいアルバムでしたね
Sourというタイトルは【酸っぱい】という意味です。

甘酸っぱい青春の1ページを美しいメロディーと歌詞で切り取ったアルバムでしたね。
このアルバムの全曲解説でわかったアルバムのキーテーマは
- 17歳という【素晴らしい時期】に幻滅している自分
- 理由は、失恋
- 他人がうらやましかったり、悩みは尽きなかったり
- それでも、自分よりもっとつらい状況でも進んでいる人もる
そんな、今の自分の気持ちを
だと私は感じました。
大人になるとそういう悩みも解決するすべが見つかってくるものですが、まだそれに出会えていない17歳という今だからこそ制作できたアルバムなのかなと思いました。
【ソングライティングのすばらしさ】【歌詞の美しさ】、にずば抜けた才能を発揮しているオリヴィアロドリゴ

是非皆さんも全曲解説と共にアルバムを聴いていただけたら嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました!