コンサートを作るプロの職人達。様々な職種をご紹介します!

皆さんこんにち音のGARAGEです

本日のテーマ

アーティストってどんなお仕事?【コンサート編 後編】プロのコンサート制作レシピ

アーティストのお仕事解説の第三弾になります。
以前の記事はこちらからご覧ください!

アーティストの楽曲制作方法を解説!ディレクター歴20年 コンサートの仕事を解説:音楽に携わる仕事

この記事はこんな方向けとなります

  • 将来コンサートの仕事につきたい
  • プロはどうやってコンサートを作るのか知りたい!
  • コンサートの仕事ってどんな種類があるのか知りたい!

今回はコンサートの総合演出として15年プロの現場で学んだ経験をもとに、
アーティストのライブはどのように作られているのかを解説したいと思います

将来コンサート関係のお仕事につきたい人の役に立てば嬉しいです。

コンサートを支える10のプロフェッショナル

まずはコンサート関係の主要10種類のプロフェッショナルな職業をご紹介します

  1. プロデューサー/演出:/ショーディレクター
  2. 舞台監督:
  3. コンサート制作:
  4. イベンター
  5. 音響:
  6. 照明
  7. 映像
  8. 舞台製作
  9. 楽器
  10. マネジメント

オリンピックの開会式もこのような職種の人が
大勢関わって一つの作品を作り上げていました。

それではここからは各職業のざっくり解説
(めちゃくちゃカンタンに説明しますので、情報不足はすいません!)

1.プロデューサー/演出/ショーディレクター
コンサート最高責任者。アーティストと話しコンサートの方向性や芸術的な音楽&ステージの表現方法を決める役職

2.舞台監督
現場スタッフの最高責任者。イメージ的には職人達のボス、棟梁と言った感じ

3.コンサート制作
事務作業の責任者。チケットの販売、会場の押さえ、スタッフの段取り、予算管理や収支計算

4.イベンター
会場押さえ,チケット販売。宿泊、食事、バイトの手配など興行運営に関わる全ての仕事。制作からの依頼を受けて動く実部隊。

5.音響
将来PAやライブエンジニアを目指す人はこの職業となります。音の責任者

6.照明
コンサートの照明担当。プロの現場では照明デザイナーと照明オペレーターという業種がある。クリエイティブセンスも重要

7.映像
撮影、CG制作、中継、DVD制作! 映像全てドンとこい!

8.舞台制作
舞台デザイン、設計、ステージを作る設計士さんや大工職人さん

9.楽器
別名ローディー。アーティストや演奏者の演奏をサポートするメカニック

10.マネジメント
アーティストマネージャー.メイクやファンクラブ対応、衣装や楽屋準備なども担当

以上、カンタンお仕事説明でした。本当はもっともっと各部署やっている事はあるのですが
今回は【作り方】にフォーカスする為割愛しますね。

【ニューキャリア】

コンサート制作レシピ どのような順序で作っていくの?

ここからが本題!どのように作っていくかのレシピ公開です。 今回は3000人~5000人規模のコンサートホール(東京国際フォーラムなど)の作り方です

レシピ1:プランニング

まずは計画を立てます。アーティスト、プロデューサー、コンサート制作、マネージメントが会議を行います。

OOO年OO月のアルバム発売の後に全国ツアーを開催したいです

という希望がマネージメントから届きます。
プロデューサー/演出アーティストと話し、どのような作品にしていくべきかを考えます。

一方でコンサート制作はプロデューサー/アーティストの希望を聞きながら
各部署のスタッフ選定と会場押さえを始めます。

通常この打ち合わせは開催1年前ぐらいに行われます。 

それはなぜか?

大規模なコンサートの会場を押さえるには
1年前から予約を入れないと希望の場所と日時は取れないのです。

ここでイベンター登場。イベンターは大規模な会場をあらかじめ、誰かが使うために押さえています。

武道館などの人気の会場の良い日程(土日)を押さえている!
というのがイベンター業にとってはすごく重要です

レシピ2:セット打ち合わせ

会場や予定が決まったタイミングで、演出、コンサート制作、舞台監督、舞台制作
が集まり、ステージプランを練り始めます。

アーティストや演出家がやりたいことがあっても
現実的に、時間や予算、会場のレギュレーションなどで
実現不可能なこともあるので、
それも含めこの打ち合わせで現実的な落とし所を決めます。

セットの設計や、ステージ設営にかかる費用や日数など、
希望をセットデザイナーが図面に落とし込み始めます。

レシピ3:プロダクションミーティング

セット打ち合わせで図面が完成。すると次はプロダクションミーティング
という会議が行われます。ここで各セクションのチーフが一堂に会します。

プロダクションミーティングで話されるのは

  • 公演の概要(会場、スケジュール等)
  • 公演の内容(演出や音楽の演奏内容、コンセプト)
  • リハーサル、会場仕込みスケジュール

などが全セクションに共有されます。
その後、映像、音響、照明と言ったクリエイティブな部署は演出家とさらなる内容の詰めが行われたり、

コンサート制作とマネジメントは移動工程の確認が行われたりします

レシピ4:リハーサル

いよいよリハーサル、アーティスト、演奏者、スタッフRHスタジオに集まりコンサートを作っていきます。

通常1週間くらいの期間で完成へと向かいます。

レシピ5:会場リハーサル

RHスタジオでのリハーサルが終わるといよいよ本番間近。

会場に実際のセットを組み最終の会場リハへと進みます。

会場リハでは以下のようなことが行われます。

  • 1日目:スタッフのステージ立て込み
  • 2.日目:会場リハーサル ゲネプロ
  • 3日目:本番

規模が大きくなってくるとここに1週間くらいの日数を使う場合もあります。
ゲネプロというのは完全に本番通り
各セクションが動く最終リハーサルで、
ゲネプロを持って全ての準備は終了となります。

レシピ6:最終調整〜本番〜

ゲネプロを受けての最終調整を行い、いよいよ本番日

ステージスタッフは最終調整、コンサート制作やイベンターは
当日の運営に全力を注ぎ、お客様を迎える準備をし本番を迎えます

レシピ7:撤収

準備は長時間でも本番が終わればすぐに撤収!!

何ヶ月もかけて準備してきたステージですが、終わればものの2時間で会場から撤収します。

全国ツアーの場合は楽器やセットを積んだトラックは本番後,【夜走り】で次の会場へと機材を運びます

通常演者やスタッフは終演後打ち上げをしたりして、次の会場へと朝イチで向かいます。

キャリアにもっと納得感を。【ニューキャリア】

まとめ

いかがだったでしょうか?以上がコンサート制作の一例となります。

1年以上前から準備を開始し、

多くて数十公演のために、スタッフは昼夜問わず良い作品を作るために準備をして本番を迎えます。

最後にに私が思う、【将来コンサート業界で働きたい人が持っていると良い素質】
をお伝えさせていただきます。

  • 音楽が大好きな人
  • 体力がある人
  • こだわりがある人
  • 夢を持って作品に向き合える人

正直コンサートのお仕事は職人達の世界です。
技術はもちろんですが、この4つのようなメンタルや体力的な
部分もすごく重要となってきます。もちろんすごく厳しい世界です。

しかし!

【お客さんが楽しんでいる姿】は最高であり、やりがいはめちゃくちゃあります。

そしてもし、貴方が音楽が大好きであるならば、厳しい中にも充実感が得られると思います。

規模が大きければ貴方が作った作品は
TVや新聞で大々的に報道され色々な人から称賛されます。

この記事が将来の仕事を決めるきっかけになってもらえたら大変嬉しいです。

お読みいただき有り難うございました。