この記事では音楽業界への就職を考えている学生さん、そして今音楽業界への転職を考えている方にむけて
を解説いたします
本記事の構成
- 音楽業界の仕事【種類①】技術職
- ※技術職のメリットデメリット
- 音楽業界の仕事【種類②】一般職
- ※一般職のメリットデメリット
- 音楽業界に就職する上で、覚悟したほうが良い事
- まとめ
という順番で解説していきます
なるべくシンプルにわかりやすく解説いたします。この記事が皆様の音楽業界への就職/転職ナビになれば大変うれしいです。
現在筆者はメジャーレコード会社の制作部の統括をしています。業界歴20年の経験をもとに、これから音楽業界に入ろうと思っている方の不安を少しでも減らせたらと思い本記事を執筆いたします。
もくじ

まずは技術職の種類はこちら
- 制作部:【所属】プロデューサー/ディレクター/エンジニア
- 映像部:【所属】映像ディレクター/映像カメラマン
- デザイン部:【所属】グラフィックデザイナー/カメラマン
技術職は実際に作品を作る職種です。基本的に職人たちの部署なので厳しく、実力至上主義です。
制作部
レコード会社内では花形の部署です。アーティストと一緒に作品を作ったり、時にアーティストに音楽を教えなければいけません。豊富な音楽知識と経験が必要で、社員でありながら自らもクリエイターでなければいけません。
- 基本的には技術が必要ですが、一方で制作部はやる気重視
- ある意味板前さんに似ていて、仮に技術がなくてもアシスタントで頑張って成り上がっていく人もいます
- レコード会社で制作部に入りたい方は【やる気】と【根性】を面接でアピールし、制作部にまずは所属できるようにしましょう、入ってしまえればラッキー。あとは現場で学べばよいと思います
- 学歴は基本的に関係ありません

私は、制作統括なので面接官もするのですが

僕は音楽が作れます!!などの技術アピールはあまりしないほうが良いです
制作部は数ある部署の中でも最も狭き門です。そこにいる職人たちに【自分は音楽が作れる】といったところで響きません。逆に「なめんなよ!」とおもわれます
心を動かすには
- 自分の音楽への愛情
- どんなに大変でも頑張れるやる気
- 昼夜問わず働ける根性
をアピールしたほうが好印象です。やる気や根性、そして熱がある人は技術がなくても採用してくれることがあります。職人たちは根性ある若者がすきです(笑)
逆に中途採用の場合は100%今までの実績です。今まで自分が残した作品を嘘なく正直にアピールしましょう
狭き門とは言いましたが自分のスキルを持っている方は、それを最大限に発揮できる部署です。スキルがある人はそれをアピールできるJob-Tなどの転職サイトで逆オファーを待つのも近道かもしれません

映像部
基本的にはカメラマンやメカニックというより、近年は映像ディレクターの在籍がほとんどです。カメラマンやスタッフは外注して自社で抱えないパターンが多いです。
就職には、すでに【自分の作品を発表して活動している人】もしくは【映像の専門学校を卒業している人】の2パターンがほとんどです。
映像部に関しては、YouTubeなどの動画コンテンツの需要拡大に伴い各社がこれから力を入れていく部署だと思います。

動画制作などの技術を持つ人は、採用の可能性が非常に高いので是非チャレンジしてみてください。
デザイン部
グラフィックデザイナー
カメラマン(写真)
イラストレーター
グッズデザイナー
が所属する部署です。CDジャケットのデザイン、ホームページのデザインなどアーティストにかかわるヴィジュアルイメージのすべてを担当します。カメラマンは外注も多いですが、少数在籍します
こちらも、【すでに作品を発表している人】か【デザイン学校卒】の人は就職に有利です。

アーティストの衣装プランなども提案するのでファッションなどの知識も必要です。
デザイン部の醍醐味はやはりCDの顔であるジャケットが作れる
ことではないでしょうか?
近年はイラストや漫画を描ける人材もすごく重宝されるのでイラストに自信がある人は是非目指してみてください
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活躍できればトップクリエイターになれる
自分の作品を多くの人に発表できる
アーティストに最も近い存在になれる
将来的に独立もできる
自由な勤務時間

頑張って沢山のプロジェクトで活躍できれば、それが自分のポートフォリオになっていきます。将来独立する上でレコード会社で技術職をやっておくことはすごく役に立ちます
アーティストと作品を作っていくので、アーティストの成長に合わせて自分もトップクリエイターになっていくこともできます。
仕事は締め切りベースで動いていくので、自分の作業をじっくりやりたい人は技術職への就職は充実感を多く得れると思います。【毎日何時出社】というよりは【何日までに納品】というのが基本のペースになります。
過酷な労働
休みなし
厳しい職人世界

基本的なデメリットは、この3つです
まずやはり、プロのクリエイターの世界はめちゃくちゃ過酷です。常にハイクオリティーの作品を短い時間で作り続けなければいけなく、若いうちはリフレッシュする暇もないです。
休みはもちろんあるのですが、結局締め切りが間に合っていなかったら作業をしなければいけないです。不安なことがあれば仕事が頭から離れません。毎朝何時出社はないですが逆に言えば
24時間365日作品の事を考えないといけない
という部分があります。

やはり自分の仕事が好きでないとなかなか続けられないかもしれないですね。
また、職場は職人の世界なので基本的には厳しいです。一から教えてもらえる現場でもないので、忍耐力も必要となります。


一般職は基本的に技術職以外という位置づけで解説させていただきます
代表的な一般職の種類はこちら
- 営業部
- 宣伝部
- A&R部
- マネージメント部
- 事務職
営業部
営業部は他の一般企業と役割は基本的に変わりませんが、商品はCDやDVDとなります。基本的に全国の販売店への流通や販売促進を行う部署です。
少し変わったところでいうと、インストアイベントなどお店で行うイベントも営業部の仕切りです。イベントスタッフ的な仕事をしているのは営業部の社員が多いです。
そしてCDショップは全国にあり、地域ごとに担当を受け持つのが一般的です。

ドラマタイアップなどを探してくるのも営業部やタイアップ部といわれる営業の中の部署が行います。
宣伝部
宣伝部は営業部と連携し作品の宣伝をしていくのですが、TVやラジオ局、雑誌媒体などへアプローチします。
局担当があり、例えばフジテレビはOOさん、日テレはOOさんなどの大手のメディア担当になると、毎日のようにTVに出向き番組出演の交渉などをします。
部署的にメディアや新聞などいわゆる業界人っぽい動きが主なので、社交的であったりする人が向いています。
A&R部
アーティスト・アンド・レパートリーの略で、音楽業界ならではの職業です。プロデューサーやディレクターが実際音楽を作るリーダーだとしたらA&Rは戦略を決めるリーダーです。一般職のなかでは花形の職業です。
時代の流行などをキャッチし、アーティストとどのように売り出すかを考える仕事です。
近年では制作部を持たないレコード会社も増えてきており、そういう会社は基本的にA&Rが中心となってアーティストの方向性を決めていきます。

宣伝や営業と連携して今アーティストに必要なものを見極め、組み立てていく能力が必要です
これは、いわゆる皆さんが良く知っているマネージャーが所属する部署です。マネージャー兼A&Rという人も最近は多く存在します。
アーティストと毎日一緒にいるマネージャーが戦略も考えたほうが効率的な部分もあるのでそのようなスタイルがふえてきたのかもしれません。
上記以外の一般職が事務職にあたります。総務や経理など一般的な部署もレコード会社に存在しています。ここの部署のプロフェッショナルに関してはほかの会社と大差はないですが
音楽業界でいうと、著作権などの権利関係を扱える知識を持った人が在籍しているのは特徴的です。

一般職に関しましては、特別スペシャルな技術が必要な部署はあまりないため転職サービスなどを使ったり、業界の人脈を使って就職する方が多い印象です。
※下記のmikketaなどは新卒用の就職サービスで、プロフィールや自分がやりたいことを記入すれば企業をマッチングしてもらえるので登録だけでもしておくのがお勧めです。
プロフィールだけでOK スカウト型就職サービス mikketa
一般職のメリットデメリットは他の業種と変わらない部分も多いですがここでは音楽業界ならではのメリットデメリットをご紹介します!
派手な仕事:芸能に憧れがあるなら楽しい
自分で考えてプロジェクトを進めていける
音楽に携われる
一番のメリットはやはり芸能界や音楽業界の仕事なので、職種によっては仕事が派手です。

アーティストやアイドル、芸能人に合う機会も多いです。
そして自分の頑張りしだいではTVや新聞の一面を飾るようなプロジェクトにも参加できます。
さらに、技術職にはなれなかったけどやっぱり音楽が大好きという方には、好きな音楽を仕事にできるといった部分で人気が高いです。

もともと、学生時代プロミュージシャンを目指していた人が就職するケースも多くあります。
昼夜問わず連絡が来る
カレンダーの休日、祝日があまり関係ない
技術職をコントロールしなければならない
デメリットの一つ目は昼夜問わず連絡が来るところです。最近はだいぶ減りましたが、発売前などは夜中までメールで各所やり取りしなればならないことも多いです

実際、夜中の生放送に出演する場合は仕事が終わる時間が明け方になります。
二つ目は休日や祝日の出勤が多いです。イベントやキャンペーンなどはお客さんが集まる週末や祝日に行われることが多く、出社になることがほとんどです。

その代わり平日に休めるのですが、中には友達や恋人とスケジュールが合わないので、やめてしまう人もいます。
三つ目は技術者相手の職業だという事。アーティストも含め、クリエイター達をうまくコントロールしてプロジェクトを進めなくてはなりません。社交性や気遣いも非常に大事になってきます。

音楽業界の仕事は想像以上に体力勝負です。理由は
思っているより少人数のスタッフ編成
基本的に様々な部分を外注でまかなうため、実際のスタッフはかなり少人数です。
その分やらなければならないことも多く、カレンダー通りには働けません。また、イベントや収録、レコーディングによっては時間も定時という概念があまりありません。

華やかな世界に見えて、地道な作業も多く根気強く、目的意識をもって働かなければいけません。
いかがだったでしょうか?本記事では
- 音楽業界の仕事の種類
- 各メリットデメリット
- 覚悟しておいたほうが良い事
を解説させていただきました。
【音楽業界の仕事の基本】は素晴らしい作品を世に発表することです
そのために様々な部署の人が日々一生懸命働いています。

それでも報われないことも多く、ヒット曲に出会える人は一握りです
しかし世の中に作品を発表しそれによって、多くの人が喜んでくれる経験に出会えるのも確かです。
技術職でも一般職でも音楽を愛している人であればやりがいを感じれると思います
ぜひ、あなたの手で世の中をアッと驚かすような作品を生み出していただけたら嬉しいです。

この記事が皆様の仕事選びの役に立てばうれしいです。
お読みいただきありがとうございました
