さてこの記事は超わかるビリーアイリッシュのHappier Than Everと題して、ビリーアイリッシュの2nd ALを独自の注目ポイントと歌詞の和訳で紐解きます。全世界で大ヒット中のアルバム。グラミー賞2022でも注目作品になること間違いなし!そんな注目作品です。
※前半戦はこちらの記事


後編はM9~M16の解説です。
後半になるにつれてこのビリーアイリッシュの2nd AL【Happier Than Ever】の本当の意味が紐解かれていきそうですね。後半も独自の評価グラフと共に各曲を解説していきたいと思います。
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もくじ
さて後半のスタートはまさかのポエットリーディングからスタート。ちょうどアルバムも半分というところで、全曲とおしてストーリを伝えていく!という意思が感じれますね。意外と、最近このようなSkitと呼ばれるセリフのみの楽曲ってなかったので、90年代、00年代に戻った感覚がして私的には懐かしいです。
ビリーアイリッシュが自分の身体にコンプレックスを持っていることはファンなら皆が知っていること。それを【私のせいじゃない】という、タイトルで黙々と語っています。
do you know me? really know me?
あなたは私のことをしってる? 本当の私のことを
you have opinions
あなたには意見がある
about my opinions about my music about my clothes about my body
私の意見や、音楽や、服装、そして私の身体について

他人が自分のことについていろいろと意見をしてくることについて冒頭から語り始めます。
そして曲は
some people hate what I wear some people praise it
私の来ている服を嫌いな人がいる ほめる人がいる
と様々な意見が自分の周りにはあることを伝えます。そして曲のエンディングでは
is my value based only on your perception?
私の価値はあなたがどう思うかで決まるの?
or is your opinion of me それとも私に対するあなたの意見なんて
not my responsibility 私の責任ではない?
と締められています。有名になり何かをすれば騒がれる現状に対して、自分の価値とはだれが決めるのだろうか?というテーマで曲は綴られています。

こちらの記事で解説しましたが、【引っかけるワード】を巧みに使い、普段私たちにも起こる【他人からの評価】という部分を問題にしています。
さて、10曲目は【過熱】とタイトルがつけられた一曲、何やらNOT MY RESPONSIBILITYを境に怒りが増してきているように思います。前半の最後はあんなにも美しい曲でおわったのに…ダークなビートにのせて【私は負けない】というメッセージをサビで連呼しています
さてこの曲はまずサビから見ていきます
I’m overheated, can’t be defeated
めちゃくちゃムカついている 絶対に負けない
Can’t be deleted, can’t un-believе it
絶対消えたりしない (気持ちが)解放されることなんてない
という歌詞をリピートしています。では、何にムカついていて何に絶対負けないのでしょうか?
But don’t you get sick of posin’ for pictures With that plastic body?
そんな整形しまくりの身体でポーズして写真とっていやにならないの?
そう、前曲で語っていた自分の身体へのコンプレックス。自分は人から見たら醜いかもしれないが、そんな批判には負けない。私は今のままを愛す。
というメッセージを強く発しています。

後半戦はどうやら自分のコンプレックスと向き合ってそれを認めていくという物語になっていくのでしょうか?
やはり少し、ダークな雰囲気が続いていますね。基本的には結構絶望している感じの内容です。人はみんな死ぬっていうけど私はいつ?的なメッセージから。でも結局、、みんなそう思っているから独りじゃないんだよ。という曲です。これもひどい現実を話しながらも、ファンを勇気づけているような楽曲です。この絶望だけではないところが少し大人になったビリーアイリッシュなのかもしれませんね。
Everybody dies Surprise surprise
人はみんな死ぬ 驚きだよね
We tell each other lies
私たちは嘘をつきあって
Sometimes we try To make it feel like We might be right
自分は正しいから大丈夫だと言い聞かせる
I just wonder why you’d wanna stay
わたしはなぜみんながそんなに生きたがるか 不思議だわ
If everybody goes You’d still be alone
もしみんなが死ぬのであれば 独りぼっちになっちゃうのに
なんとも人生とは!という部分にアーティスティックに切り込んでいますよね。人は必ず死ぬのであれば、長くいきたいって思うことは独りぼっちに近づいていくことじゃない?という表現。すごいですね。
でも最後には
But it’s okay to cry And it’s alright to fall
でも泣いてもいいし、崩れ落ちたって大丈夫だよ
But you are not alone You are not unknown
あなたは独りじゃない そしてあなたは必要のない人間じゃない
と絶望している人に寄り添っています。絶望している人を癒してくれる歌ですね
この楽曲はDVや監禁を受けた子を守る歌。男のほうを淡々と批判しています。しかし、アーティスティックなのはダークな楽曲で批判するのでなく、どこか子守唄のような美しい歌声。DVをした男のほうでなく、被害者のほうに歌い聞かせているからかもしれません
☆歌詞
How dare you? And how could you?
よくもそんなことができるわね 何をかんがえているの?
Will you only feel bad when they find out? If you could take it all back Would you?
後悔するのは結果的に契約を切られた時だけ?ねえどうなの?
Try not to abuse your power I know we didn’t choose to change
力を行使しないで、確かに私たちは何かを変えようとはしなかったけど
というように、批判をしている歌詞なのですが、ずっと美しい歌声で歌っています。
このミスマッチがすごくこの曲を神秘的にさせていますよね
NDAとは秘密保持契約のこと。この楽曲はパーソナルな実体験をベースに書かれているようです。楽曲はどこか不思議なオリエンタルな旋律と共に、ビリーの17歳からの恋愛事情が語られています
I bought a secret house when I was 17 Haven’t had a party since I got the keys
17歳の時に隠れ家を購入した、カギを受け取ってからパーティーは開かれていない
Had a pretty boy over but he couldn’t stay On his way out, made him sign an NDA
イケメンの彼が遊びに来たことはあるけど、留まることはできなかった 帰り際秘密保持契約を結ばせた
17歳の青春真っただ中でなかなか寂しい恋愛ですね。有名人だから仕方ないと割り切りながらも
【しかたないね、あなたにわたしは救えないし】
とあきらめているのが今の状況だと、曲では語っています。
【故に我あり】というタイトルの通り、自分の生き方をストレートに語った楽曲。ビリーアイリッシュっぽいといえばこのアルバムで一番ではないでしょうか。様々なことに傷つきながらも【自分は自分】というのを強く打ち出すところが根強いファンを獲得するのかもしれませんね
I’m not your friend or anything, damn You think that you’re the man
私はあなたの友達でもなんでもない 自分が偉いとでも思っているんでしょ?
Don’t talk ‘bout me like how you might know how I feel
私の話題をはなさないでくれるかな? わかってるような感じ出して
という感じで自分をいいように利用してくる人間を牽制するような歌詞が並んでいます。
故に我ありというのは【自分がなぜ存在しているかを考えることこそが存在意義】という意味。自分がなぜ音楽をやっているか、それは好きだからで誰かに利用されるためではないという事ではないでしょうか。
さてついに、タイトル楽曲までたどり着きました。楽曲はすごくピースフルにギターの音楽で始まり、途中からこのアルバムではなかなか出てこなかったディストーションギターを使ったビートに変化していきます。歌い方も非常にエモーショナルで一番派手な楽曲です。内容はというと、何が【今までで一番幸せなのか】?それは大恋愛の末に別れをむかえ、苦しさから解放され【今までで一番幸せ】という事でした。強がって、未練をかくすために【Happier】という言葉を使っているのがすごいですよね。
When I’m away from you I’m happier than ever
あなたと別れて 私は今までで一番幸せを感じている
Wish I could explain it better I wish it wasn’t true
上手く説明できればよいけど、それが真実じゃなければよいけど…
から始まる、冒頭
ここだけで、すでに終わった恋について話しているのが分かりますね。そして強がってはいるが、未練があるように感じます。アルバムジャケットで【今までで一番幸せを感じている】というタイトルながら、涙を流しているのはそういう意味なのかもしれませんね。
後半は楽曲がすごく盛り上がっていくのですが、そこの部分も
And I don’t talk shit about you on the internet
インターネットでも悪いことは言わないし
Never told anyone anything bad ‘Cause that shit’s embarrassing,
誰にも悪いことも言わなかった
you were my everything
あなたはわたしのすべてだったのに
と愛する人のためにすごく自分が変わったことを伝えています。本当に愛していたのでしょうね。
そしてエンディングは
You ruined everything good
あなたがすべてを台無しにした
Always said you were misunderstood
誤解してるっていつも言ってたけど
Made all my moments your own
思い出を自分だけのものにした
Just fucking leave me alone
もう一人にして
と締めくくっています。すごく愛していたのに、裏切られ、素敵な思い出もすべて嫌なものにされた。という歌詞。そして最後は【もう一人にしてくれ】というセリフ。
タイトルとは真逆のストーリーっぽく見えますよね。
【Happier Than Ever】とは精一杯の強がりの言葉だったのではないでしょうか。
実際のところ、Happier Than Everでアルバムが終わるのかとおもいきや、最後に美しくせつない失恋ソングが収録されています。荒々しい感情むき出しの失恋ソングHappier Than Everの真逆のような楽曲。映画でいうとエピローグみたいなものなのでしょうか。アルバムを流れで聴くとより切なく聴こえます
If I’m getting over you もしあなたを忘れることができたら…
Or just pretending to Be alright, もしくは忘れたふりができたら…いいのに
convince myself I hate you あなたを嫌いだと納得できたら…
めちゃくちゃ切ない歌詞ですが、どこか暖かみがあります。恋愛の末、次に向かっていくために、思い出を美しいままとっておきたいという気持ちなのでしょうか。
そう思えること自体が、大人になっていくという事なのか。そんなことを考えさせられる1曲でアルバムは締めくくられました。
いかがだったでしょうか?前半だけでも十分やばかったですが、このストーリー構成のすばらしさ。アルバムを通して聴くとビリーアイリッシュという人間の壮大な映画を見た気分になりました。
間違いなく名盤で今後ずっと語り継がれていく作品だと感じました。そしてそれと同時に音楽の素晴らしさを教えてくれるアルバムでした。
グラミー賞2022でもすごい数の賞を受賞しそう…いまから楽しみですね。
前半後半と解説をご覧いただきましてありがとうございました。